作用機序と薬物動態について
作用機序
作用機序
月経困難症は、月経期間に起こる病的な随伴症状であり、下腹痛、腰痛、腹部膨満感、嘔気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、いらいら、下痢、憂うつなどの多岐にわたる症状がみられる1)。
これらの症状は、子宮内膜で産生されるプロスタグランジンなどの過剰分泌に関連する子宮の過収縮によるものと考えられている2)。
アリッサ®配合錠(E4/DRSP)に含まれる天然型エストロゲンであるエステトロール(E4)は、下垂体に作用することで卵胞刺激ホルモン(FSH)及び黄体形成ホルモン(LH)の分泌を抑制し、卵胞の発育を抑えることで排卵を抑制する3)。
ドロスピレノン(DRSP)は、プロゲステロン受容体(PR)に結合して、FSH及びLHの分泌を抑制し、排卵を抑制する4)。
E4とDRSPの排卵抑制作用によって子宮内膜の肥厚が抑制され、その結果として子宮収縮を誘導するプロスタグランジンの産生量が減るため5)、月経困難症による様々な症状を軽減すると考えられている6)。
1)公益社団法人 日本産科婦人科学会, 一般社団法人 日本女性医学学会. OC・LEPガイドライン2020年度版.
2)公益社団法人 日本産科婦人科学会, 公益社団法人 日本産婦人科医会. 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2023.
3)Coelingh Bennink HJ, et al.: Climacteric. 2008; 11(suppl 1): 47-58.
4)Krattenmacher R, Contraception. 2000; 62 (1): 29-38.
5)森村美奈, 心身医学. 2015; 55 (8): 978-983.
6)家坂清子, 産科と婦人科. 2012; 79 (11): 1363-1368.
薬物動態
血中濃度
- 単回投与時(健康成人女性)
日本人健康成人女性(10例)にエステトロール(E4)/ドロスピレノン(DRSP)15mg/3mgを単回経口投与した時、血漿中E4濃度は投与後約1.4時間に最高血漿中濃度(Cmax)に達し、半減期(t1/2)26.3時間で消失した。血漿中DRSP濃度は投与後約1.7時間にCmaxに達し、t1/2 31.1時間で消失した。
- アリッサ®配合錠の用法及び用量
- 1日1錠を毎日一定の時刻に定められた順に従って(ピンク色錠から開始する)28日間連続経口投与する。以上28日間を投与1周期とし、出血が終わっているか続いているかにかかわらず、29日目から次の周期の錠剤を投与し、以後同様に繰り返す。
社内資料:日本人又は白人健康女性を対象とした海外第I相試験/MIT-Es0001-C109(承認時評価資料)